OLAP

 OLAP(On-Line Analytical Processing)とは
OLAPは、別名、多次元データベースともいわれ、データベースに蓄積されたデ−タを使用して商品、顧客、時間などさまざまな切り口を組み合わせて多角的な分析をおこなう事を可能とするシステム。

多次元データベースはキューブ(立方体)ともよばれます。それはデ−タベ−スがExcelのワークシートのような表の形でデータを管理するのに対し、キューブはこの表を積み重ねて立方体のような形で管理するためです。

 OLAPのメリット
1.時間
ドリルダウンやドリルアップなどの機能を使用して、大きなカテゴリーから小さなカテゴリーへ、小さなカテゴリーら個々の商品へと、またその逆へと短時間でデ−タ間の移動、表示が可能であり、ユーザーの待ち時間が解消され、作業時間の短縮につながる。
2.分析結果がわかりやすい
売上の上がったり、下がったりした原因をカテゴリーから単品へ階層的に追いかけたり、そこからさらに月、週、日などの時間で追いかけたりなど原因を分析に適しており、売上分析の経験の浅い担当者でも結果をわかりやすく捉えることができる。
3.システム開発コストと時間の低減
従来の売上などの分析システムでは分析の種類、数だけクエリー、フォーム、レポートなどのプログラムを作る必要があったが、OLAPを使用すると開発のプログラム数を大幅に軽減できる。これにより、開発コストと開発時間の低減が可能となる。

 OLAPの方式

方式 内容 製品
MOLAP
Multidemension OLAP
明細デ−タ、集計デ−タともにOLAPのキューブ(多次元データベース)に格納する。キューブはサーバー上に作成される場合が多く、CPUが遅い、メモリが少ない性能の低いクライアントでも利用できる。 PowerPlay
Essbase
Oracle OLAP Server
ROLAP
Relational OLAP
明細デ−タ、集計デ−タともにリレーショナルデータヘース(RDBMS)に作成し、ユーザーが操作した時点でOLAPのキューブを作成するため、MOLAPよりスピードが遅い。キューブはクライアント上に作成される場合が多く、性能の高いクライアントが必要となる。 HitSense
ハイブリットOLAP
Hybrid OLAP
明細デ−タはRDBMSに、集計デ−タはキュ−ブに作成し、ユーザーの要求するデータの種類によってどちらかなアクセスする。キューブはサーバー上に作成される場合が多く、性能の低いクライアントでも利用できる。 SQLserver7.0
*設定によりMOLAP、ROLAP、
も選択できる。

OLAP機能を備えた
マイクロソフトのSQL Server 2000

 OLAPの機能(分析手法)
1.ドリルダウン、ドリルアップ
上位の階層(グル−プやカテゴリ)から、1つずつ下の階層へ分析の視点を下げていく分析方法。大量デ−タの中味を分析する際に、いきなり詳細レベルの分析を行うと上位や下位との関連性が不明確となり、分析としては効率が悪くなる。階層の高いレベルから順次、堀り下げることにより、分析結果がわかりやすくなり容易に把握する事ができる。その反対に低い階層から高い階層へ行うのがドリルアップであり、これはドリルダウンに慣れた者が応用的分析手法として行うものとなる。
2.ダイス
ダイスとはサイコロのことでサイコロの面を変えるようにして、分析軸(切り口)を変える方法である。分析軸の視点を変える事により、さまざまな角度から多角的な分析を行う事ができる。
3.スライス
本来的には包丁で四角い豆腐を切るように、外側から見えない部分を切り取り分析する方法をいう、現実的には時系列的な推移デ−タとしての分析の仕方で例えば、1月、2月、3月…と次々にスライスする事により、時系列的な推移を把握する時に利用する。

 OLAPシステムのホームページ

製品 販売元 開発元
Power Play コグノス Cognos
Essbase ビーコンIT 他 hyperion
Oracle OLAP Server オラクル Orcle
SQL server マイクロソフト Microsoft